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【技術書レビュー/書評/要約】はじめてのGPTsのつくりかた ChatGPT誰でも1時間でできる!【本郷喜千 】

ChatGPT 誰でも1時間でできる! はじめてのGPTsのつくり方 (オリジナルAI アプリをつくって、面倒な仕事を任せよう!)

タイトル はじめてのGPTsのつくりかた ChatGPT誰でも1時間でできる!
著者 本郷喜千
出版社 スタンダーズ・プレス
発売日 2024年08月

はじめてのGPTsのつくりかた ChatGPT誰でも1時間でできる! レビュー

本書「はじめてのGPTsのつくりかた ChatGPT誰でも1時間でできる!」は、ChatGPTをベースとしたGPTs(GPT Specialized)の作成を、プログラミング知識がなくても実現できると謳う入門書である。30年以上に渡るソフトウェア開発経験を持つ私から見て、その主張の妥当性、そして本書の価値について考察する。

対象読者と本書の位置づけ

本書は、プログラミング経験のない、あるいはごく僅かな経験しかないユーザーを対象としている。業務効率化やアイデア創出といった明確な目的を持っており、生成AIの活用に意欲的な層に最適だろう。 高度なプログラミングスキルを持つ者にとっては、記述されている内容は極めて初歩的であり、物足りなさを感じる可能性が高い。しかしながら、既存のChatGPTの機能を最大限に引き出すためのプロンプトエンジニアリングのテクニックや、GPTs構築における実践的なアプローチは、経験豊富な開発者にとっても参考になる部分がある。特に、特定のタスクに特化したAIアプリケーションの設計・開発という視点においては、設計思想や実装手法の再考を促す一助となるだろう。

プロンプトエンジニアリングの深堀りの不足

本書の最大の強みは、初心者でも理解しやすいように、GPTsの作成手順をステップバイステップで丁寧に解説している点にある。豊富な図解と具体的な例を用いた説明は、プログラミングに馴染みのない読者にとって非常に分かりやすい。しかし、プロンプトエンジニアリングに関する解説は、やや表面的なものにとどまっている。高度なプロンプト設計、例えばFew-shot learningやChain-of-thought promptingといった高度な手法については、ほとんど触れられていない。より洗練された、効率的なGPTsを作るためには、これらのテクニックの理解が不可欠であり、この点は本書の大きな欠点と言える。

ノーコード開発の限界と可能性

本書は「ノーコード」でGPTsを作成できると主張している。確かに、本書に記載されている方法であれば、複雑なコーディングをすることなく、ある程度の機能を持つGPTsを構築できるだろう。しかし、これはあくまでChatGPTの既存機能を組み合わせたものであり、真の意味での「開発」とは言い難い。高度なカスタマイズや、複雑なロジックの実装には、結局のところプログラミング知識が必要となる。この点は、本書のタイトルと内容に若干の食い違いがあるように感じる。ただし、ノーコードでここまでできるという事実を示すという意味では、一定の価値があると言えるだろう。

実践的な事例の豊富さとその限界

本書では、様々な業務に適用できるGPTsの事例が紹介されている。これは本書の大きな魅力であり、読者はこれらの事例を参考に、自身の業務に最適なGPTsを構築するためのヒントを得ることができる。ただし、紹介されている事例は、比較的単純なタスクに限定されている。より複雑な業務、例えば自然言語処理を必要とする高度なタスクへの適用については、本書だけでは対応しきれないだろう。

まとめ:実用的な入門書として価値あり

全体として、「はじめてのGPTsのつくりかた ChatGPT誰でも1時間でできる!」は、生成AI、特にChatGPTを活用して業務効率化を図りたい初心者にとって、非常に実用的な入門書と言える。プログラミング知識がなくても、具体的な手順に従ってGPTsを作成できる点は高く評価できる。ただし、本書はあくまで入門書であり、高度なカスタマイズや複雑なタスクへの適用には、更なる学習が必要となることを理解しておくべきである。プロンプトエンジニアリングの更なる深堀りや、より高度な事例紹介があれば、より完成度の高い書籍になっただろう。それでも、生成AIの世界への第一歩を踏み出すための良きガイドとして、本書は十分にその役割を果たしていると言える。本書で得られた基礎知識を土台に、更なる学習を進めていくことで、より高度なGPTsの開発に繋がるだろう。本書は、そのための最初のステップとして最適な選択肢となるだろう。

改善点提案

  • 高度なプロンプトエンジニアリング手法の解説追加: Few-shot learning, Chain-of-thought promptingなど、より高度なプロンプト設計手法についての解説を追加することで、より洗練されたGPTsの作成が可能となる。
  • API連携に関する解説の追加: 外部APIとの連携を可能にすることで、GPTsの機能を大幅に拡張できる。この点に関する解説を追加することで、本書の応用範囲を拡大できる。
  • エラーハンドリングとデバッグ方法の解説: GPTsの作成過程で発生する可能性のあるエラーとその対処法、デバッグ方法についての解説を追加することで、読者の問題解決能力を高める。
  • より複雑なタスクへの適用事例の追加: 自然言語処理を必要とする高度なタスクへの適用事例を追加することで、本書の適用範囲を拡大できる。

本書は、ChatGPTの可能性を垣間見ることができる良書である。しかし、あくまで出発点であることを忘れずに、更なる探究を続けることが重要である。 この書籍は、その探究の旅の最初の目的地として、最適なガイドとなるだろう。

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